学生は当然だけど資格がない。
注射や投薬などできない事が多い。
実習でできない処置は看護師になってから経験していく事になる。
最初から手術の上手な医師もいないし、注射の上手な看護師さんもいない。
当たり前だけど新人のときがあって、経験が成長させてくれるんだ。
中には学校で練習する処置もある。
採血や包帯、ギプスなんかの練習は学生同士でしちゃう。
例えばギプス。
水に濡らして絞ったら固まるまえに形を整えながら巻く。
そして、外すときのギプスカッターは凄い音がする。
実際に刃が回転しているわけじゃないから絶対に肌は切れないようになってる。
きちんとその事を患者さんに説明するのが大切な事なんだ。
苦痛なのが胃管。
管を胃まで入れてジュースを流す実技。
私は喉を管が通過するとき、気持ち悪くて我慢できなくって吐いてしまった。
涙が止まらなかった。
鼻から胃まで5~60センチ。
その管が入ってくるのは拷問だよ。
胃管はご飯食べれない人に栄養流したり、逆に消化液を外に出したりするためのもの。
どの実技も初めての下手くそ同士がするからとてつもなく辛い。
だけど患者さんの気持ちがよくわかるんだよね。勉強になる。
下手くそな人に採血される恐怖…
針の跡だらけの腕。
私はこの時に、採血は絶対上手になろうと決意したんだ。
悩んで、苦しんで、落ち込んで
それでも、何とか実習を乗り越えた。
それは人との触れ合い。
私は今からの実習でたくさんの出会いをする。
それは私の一生の宝物となる出会い。
実習での事はこれから何十年過ぎても絶対忘れないと思う。
数え切れない沢山のものを私は頂いた…
今からの記録は、まだまだ未熟な看護師の卵が経験した出会い。