はなわさんの「お義父さん」という歌が話題になっています。
2016年、奥さんの誕生日に贈った曲。いままで奥さんへ贈る曲をなかなか作れなくて、はじめてプレゼントしたのがお義父さんということでした。2歳の奥さんを置いていったお義父さん。それにより辛い思いをしてきたはずの奥さん。だけど一言も恨みをいったことがない…
優しい暖かい歌です。
この曲をプレゼントしたときに実は奥さんは、この1週間ぐらい前に親戚から連絡があり末期がんになっていると言われたそうです。
会いたがっていると言われた…が断った。
そこに、この曲が贈られ、決意し二人で会いに行ったそうです。そして、その後にお義父さんは孫とも会うことができた。
この歌が奥さんとお義父さんを会う機会となり、奥さんにお義父さんをプレゼントという形になったという不思議な歌です。
そしてお義父さんには、娘の再開と孫のプレゼントになった歌。
お義父さんが末期がんということですが
あなたが体調を崩し、病院へ受診したとき医師から余命を告げられたらどうしますか?
あなたの家族が余命を告げられたら大切な人に告知をしますか?
ドラマのような話ですが現実にある場面なんです。
実際、私も沢山の患者さんの緩和ケアをみました。
自分の祖父母もがんで亡くなりました。
末期がん
「体中にがんが転移していて、積極的な治療ができない状態」
多くのがんでは「ステージⅣ」と呼ばれる段階。
ただしステージⅣ=末期がんではありません。
積極的な治療ができない状態で完治する見込みが殆どない状態です。
治療は治すためのものではなく、延命や緩和するためのものに切り替ります。
症状
がんが転移した部位により出現する症状は変わってきます。
脳に転移すると頭痛や眩暈、吐き気、言語障害や運動障害がでます。
肝臓は腹痛や黄疸、食欲不振や倦怠感がみられる。
腹膜だと腹痛や腹満、発熱や腹水などでます。
骨だと痛みや骨折などが出やすくなります。
肺だと咳や血痰、息切れ、呼吸困難の出現。
その症状に対し、苦しさを和らげるための医療になります。
精神的な不安や恐怖にたいするケアも、ものすごく大切になります。
ちなみに緩和ケアを知っていますか?
ターミナルケア=緩和ケアではありません。
緩和ケア
WHOの定義で「生命を脅かす疾患による問題に直面している人とご家族」に対して行われるものとされています。
苦痛を緩和して、QOLの改善を図るものです。症状を緩和させる目的で行なう治療を「緩和ケア」といいます。
今では末期がんにというより診断時から治療と並行して行われるべきものとされ、がんのすべての経過に関わるものとなっています。
家族に対してという定義もとても重要なことだと思います。
苦しむのは患者だけではなく家族も一緒に苦しみ闘うのです。
ターミナルケア
ターミナルとは「終末期」のこと。
治療よりも残された生活を心穏やかに過ごしてもらうように努める「終末期医療」「終末期看護」
人生の残り時間を自分らしく過ごし、病気の症状などによる苦痛や不快感を緩和し精神的な平穏や残された生活の充実を優先させ満足して最期を迎えられるようにすること。延命は行わない。
がんの終末期に限ったケアではありません。
人は必ず死ぬ。
死を迎えるときエンディングノートというものもありますね。
自分なりに死と向き合い、別れの準備をしていく時間をくれたとも考えれます。
緩和ケアはターミナルケアの要素に加えて治療も並行して進める点に違いがあります。
ターミナルケアは緩和ケアの1部のことなんです。
最期は自分の家で、という選択肢もあるとおもいます。
これは家族の負担が大きくなるので、主治医と十分相談し訪問看護などの利用や急変時の対応など決めておきましょう。
残された時間を充実して過ごす。
理想であり難しいことです。
ホスピスや緩和ケア病棟など耳にすることがあると思います。
ホスピス
由来は小さな教会のこと。
最期を迎える患者の苦痛の緩和をはかり安らぎを与える施設。
緩和ケア病棟
緩和ケアを専門的とした病棟。
一般病棟や在宅ケアでは対応困難な心身の苦痛がある患者への対応や、人生の最期の時期を穏やかに迎えることを目的とした施設です。
最期の最期まで闘うことも決して間違いではないと思います。
可能性がゼロでないなら死の間際まで治療をすることを否定はしません。
薬により逆に体が弱り、寿命を縮めてしまうこともあります。
余命を言われたあとも長く生きる人もいます。
残念なのは終末期、病院から助からないといわれ様々な健康商品やアイテムなどにすがり大金をかけてしまうこと。
なんでもいいから助けてほしい。
そこにつけ込む商売だけは悲しくなります。
死んだあとのことはわかりません。
だけど、必ずやがては訪れる避けれないものです。
あなたは自分の最期をどう選択しますか?
大切な人の最期とどう向き合いますか?
コメント