4月13日金曜日(晴れのち曇りところにより一時雨)
『あ゛ぁ~!!』
?!
突然、苦虫を噛み潰したような声が響き渡った。
…びっくりしたなぁ。
心臓が止まったらどうしてくれるんだよ?
ふぅ
まだドキドキしてるよ…
大きな声の主は看護師さんだった。
『ねぇねぇお尻の床ずれ、ひどくなってるよ。』
床ずれ?
ああ、赤くなってたところか。
『はぁ…困ったなぁ。』
『ねぇ、この白いの…』
『うん、骨がみえてる…浸出液も量が多いし臭いもキツイね。』
何だ、骨か。
まったく、そのぐらいで大きい声出してビックリしたよ。
『大きさ測るね。あとカメラ準備してきて。』
…
あれ?まてよ…
骨???
骨って言ったの?
骨って何?
どうして???
『あーあぁ、状態悪いから仕方ないか…』
『写真撮りまーす。はいチーズ。』
はぁ?
仕方ないって…
おまえら、人事だと思って何言ってんだ?
自分達が私の立場だったら、仕方ないって笑ってられるのか?
喉
腹
尻…
どんどん穴が開けられていく私の身体。
お尻の穴が二つになったなんて、笑い話にもならないじゃないか!
もし、元気になったとしても人前に出れない身体になってるんじゃないのか?
…
何か現実感がないんだ…
自分の今の状態に実感がない。
どこか他人事みたいに感じる時がある。
多分、全てを認めたら気が狂いそうになる。
だから、否定している自分もどこかにいる。
これは夢。
長い長い夢。
まだ覚めることのない悪夢なんだ。