…うーん
なんだよ。
すごく眩しい。
目を開けてられないじゃないか。
この光はなんだ?
光の先は何があるんだ?
身体を起こすか…
よいしょっと。
体が軽いなぁ。
きっと無重力って、こんな感じなんだろう。
羽が生えたようにフワフワ軽い。
とりあえず、光の方へ行ってみるか。
…地面の感触ってこんな感じだっけ?
足が地に着いてない感覚。
あぁー…
気持ちいいなぁ。
なんだ?この開放感は?
~♪
風景が動く。
緑いっぱいの草原。
花の香りに包まれる。
雲一つない澄んだ空。
絵に書いた風景って、こんな事いうんだろうな。
見たことない花だ。
光に向かって絨毯のように咲いている。
まるで導いているかのように。
いったい此処はどこだ?
私は、なんで此処に居るんだろ?
私は何をしてたんだっけ?
音が聞こえる。
水の流れる音。
だけど光に遮られ先が見えない。
とても暖かくでもひんやりとした
心地よい風が私を包み込んでる。
不思議な感覚で前に動く。
勝手に足が前へ…
歩く事が気持ちいい。
水の正体。
目の前に広がっていたのは大きい大きい川だった。
周りに石がゴロゴロ転がっている。
いつの間にか河原に立っていた。
石が積み上げられている。
なんだ?何か強い気持ちが伝わってくる。
!?
よく見ると裸足だった。
なのに痛くない。
足が止まらない。
川に向かってそのまま進んでいく。
一歩。
また一歩。
私は川の上を歩いていた。
なんで沈まないんだ?
とにかく光の方へ。
先に進む程、明るくなる。
何があるんだ?
あはははは。
幸せだ。
自然と笑顔がこぼれる。
心の底から笑えたのはすごく久しぶりだった。
痛くも痒くもないなんて…
あんなに辛かったのに…
!?
…そういえば私は病院に居たんじゃなかったのか?
歩けないんじゃなかったのか?
…
何?
ちょっと待って。
何かおかしい。
本当にこのまま歩いていいのか?
何か嫌な予感する。
おい、止まれ!
止まれってば!!
何で…足が止まらない!?
勝手に前に動く。
ゾクリと冷たいものを感じた。
嫌な汗が吹き出る。
やばいっ
このままじゃ、きっと取り返しのつかない事なにる。
どんどん光が強くなっていく…
おい
ダメだ
ダメだ
止まれ
戻れって
《プシュープシュー》