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4月23日月曜日(曇り時々雨)

4月23日月曜日(曇り時々雨)

『おはようございます。』

『やあ。』

《プシュープシュー》

 

 

 

病院はいつもと変わらない朝を迎えていた。

いつもと同じ刻を刻む。

一人の人間が亡くなったからといって何かが変わるわけではなくて…

 

 

昼過ぎには何事もなかったかのように隣の部屋には新しい患者さんが入院していた。

 

 

病院では当たり前の光景で365日のうちの1日にすぎない事

すごく悲しかった…
なにか悔しかった…

 

 

 

胸がギュッと締め付けられる。

自分の価値…
きっと私が死んでもなんともない…

当たり前の事だけど
考えたくはなかった…

 

 

 

《プシュープシュー》

急性期の病院は患者の入れ替わりは早かった。
知ってる顔はなくなってしまって、私はもう古株になっている。

病院で、一人取り残されてしまっていた。






《プシュープシュー》






あれ?

人の気配がする。



『…か…のに…』



ブツブツと呟く聞き慣れた声。


佐々岡先生だ。
診察に来てくれたんだ。




先生、信じています。
絶対に助けてくれるって。

今は苦しいけど、回復の途中なんですよね?


お願いします。
治してください。





『…くそっ!』






何だろ?
いつもと雰囲気が違うぞ。






《ゴツン…》




《ゴツン…ゴツン…》




いつもより大きく

いつもより多く

静かな部屋に鈍い音が響いた。






















『…もうダメだな…手の施しようが…』



















聞き違い…だよな?



今、何て言った?



いったい何を口にしたんだよ?





なぁ、先生!





『…くそっ…残念だ…』


《バタン》






な、何
何を言ってんだ!



お前は医者だろ!?



絶対助けるって…私に言ったよな?


あんたは病気を治すのが仕事だろ?



だったら治せよ!!


いままで治してくれると信じてたから、何でも我慢したんだぞ。



どんな体になっても…それでもきっと治るって言い聞かせてたんだ。



好きな事好きなだけして最後にはあっさりもうダメって…








ふざけるな!!!!!





だったら身体を返せよ!


だいたい医者が先にあきらめていいのかよ…





私はまだ死にたくない…




医者に諦められたら、私はここで終わりなんだ…



闘うことさえ選択できないなんて…





う、嘘です!
言い過ぎました。
謝ります。
なんでもします。






だから
先生助けてください…

どうか
見捨てないでください…









命を預けている先生にあきらめられたら…

私は…私は…死ぬしか…ない。


もう、死ぬのを待つだけしかない。




終わり…




嫌だ…





嫌だ
嫌だ
嫌だ



死にたくない


まだ死にたくない



嫌だ…



怖い



嘘だと言ってください



助けてください



先生…



誰か…













うわぁーーぁあああああぁああああああああぁあああぁあああああぁぁああ!!!!







 

 

 

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