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「いち、にー、さん、しぃー…」
馴染みのある音楽が流れ、自然に身体が動く。
おそらく、この曲と体操を知らない日本人はいないんじゃないかとさえ思う。
『手を大きく伸ばして…』
ラジオ体操。
ただ、第2までになると流石にわからないや。
これはプライベートじゃなくって、れっきとした看護実習。
今回は違った意味で怖い実習だった。
ついつい背後を振り返ってしまう。
《ガチャガチャ…》
「はい、早く出て。」
毎朝、看護師さんが鍵を開けて患者様皆がグランドに出てく。
患者様はグランドに広がり、皆でラジオ体操を始める。
ただ、その光景は
落ち着かずキョロキョロしている人が居たり
座り込んでしまってる人が居たり
機械みたいなカチカチな動きをしている人も居る。
この病院は少し街から離れたところにある。
外観は窓には柵があり、出入り口の扉は鍵がかかってる。
病室にはカーテンもなく、中には監視カメラの付いた病室まであった。
看護師さんは男の人の数が多い。
全てが特殊な環境。
今回は精神科での実習なんだ。