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〃看護学生③〃


だけど、実習が始まって考えがすぐに変わった。

だって先輩から聞いてた通りで、実習は本当に辛く長いものだったから。




実習が始まってストレスで倒れてしまう子がいたり。
耐えれなくて自主退学してしまう子も中にはいるくらいなんだ。





その実習で一番最初に経験した事。


患者さんの死
患者さんの解剖





これで、私はいきなり鬱になっちゃった。






嫌だよ。
もう実習に行きたくない。
怖い…





そればかり頭の中がいっぱいになってた。
朝起きると体が動かない。
頭が痛い。
吐き気がする。




「馬鹿だね、優花は。」



ハンバーグを頬張りながら真希が言った。



横で加奈は話しを聞かずに周りをキョロキョロみて男の子を品定めしている。




同級生の加奈と真希。


実習が終わって皆で集まっていた。
…って言っても明日も明後日も実習はあるケド。




実習の後の1日の締めは3人でファミレスで集まるのがお決まり。


実習で提出するための看護計画を助け合うため集まっていた。

…だけど話が逸れて雑談になってしまうんだ。





「だってショックだったんだもん。」


真希の言葉に私はぷーっとほっぺを膨らませた。
今日の解剖の事を愚痴ってたのだ。





「よいしょ。」




席を立ち上がりドリンクバーのおかわりに行く。

真希も加奈も空のグラスを手に持ちついてくる。





私は氷を入れたグラスにコーラを注いだ。
グラスが汗をかく。


「だいたい実際に働き始めても今日みたいな事があるわけないし。」



氷をコップいっぱいいっぱいに入れる真希。
氷をかじるのが大好き。

その上から烏龍茶を注ぐ。





「だけど…だけどさぁ、解剖はないかもしれないケド、知ってる人の死には出会うことになるんだよ。」




朝来ると外されてる名札。
その光景がすごく心が苦しくさせる。



病院は死ぬ場所でもあるってことを改めて実感した…




「だったらそういう所で働かなければいいんだよ。」


ガリガリと氷を噛みながら呆れたようにいう真希。





なるほど。


確かにそうだよね。
もともと人のお世話したり笑顔みたりするのは好きなんだ。
救急のない外来看護とか眼科、耳鼻科、整形とか、

選択肢もあるんだ。


第一そんなにみんなコロコロ死ぬわけじゃないし。




「うん、うん。」


何かモヤモヤしてた事が少しすっきりした。

デザートのチーズケーキを頬張る。




そうだよね。


真希の言葉で気が少し楽になった。



「じゃあねー。」
「また、あしたー。」
「ばいばい。」




二人に手を振って自宅に帰る。





布団に入ると身体は疲れてたから、直ぐにウトウトし始めた。

 

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