国立がん研究センターが、がん患者を5年間追跡した生存率の集計結果を発表しました。
がん5年生存率
全体の平均で65.2%
5大がん
胃 70.4%
大腸 72.6%
肝臓 38.5%
肺 39.1%
乳房 92.7%
その他の部位
膵臓 9.9%
食道 43.4%
子宮頸75.6%
子宮体82.6%
前立腺97.7%
膀胱 71.2%
乳がんや前立腺がんの生存率はすごく高い数値です。
肝臓がん、肺がん、食道がんなどが低い数値となり、膵臓がんはもの凄く低くなっていますね。
高齢者とがん
2015年にがんと診断された約70万人を対象に調査。高齢者のがん患者で治療を受けてない割合が年々増えていることがわかった。
85歳以上でステージ4の患者で治療しない患者が胃がん、肺がんで50%を超えた。大腸がんでも2012年の前回より増え36.1%が治療を選択していない。
40~64歳で治療しないのは1.6%なのに対し85歳以上では18.1%になる。
理由
体力が低下している。
手術や抗がん剤の副作用に耐えられるかどうかとういうことになります。
すでに他の疾患があり、治療にリスクがある。
糖尿病であったり、心疾患や腎疾患などの病気のためがん治療による選択の幅が狭くなります。
基礎疾患が重症であると、がん治療は行えないこともあります。
腎機能、肝機能の低下で薬の代謝が上手くいかない可能性。
加齢による機能低下のため、薬の効果が十分に出ず副作用の方が強くなる可能性があります。
治療を選択したことにより苦痛が多くなったり、体力が低下する可能性も…
治療費が高額になる。
がん治療は、費用がかかります。
経済的理由から、治療を選択できないこともあります。
認知症があるため意思決定や通院治療が困難。
独居家族で会ったら薬の管理ができない。
入院しても点滴を抜いたり、病状を理解してない可能性があります。
高齢者のがん治療にたいするガイドラインがない。
臨床試験が70歳代前半までの人におこなわれるため、高齢者の標準治療が確立されてない。
過去の記事で高齢者に抗がん剤が効かない?という記事もありました。
高齢者とひとくくりにしても、この年代は健康状態など個人差が大きくなっています。
治療を行う事のメリットとデメリットのどちらが大きいのかということになるのでしょう。
治療は望まず痛みを緩和し、自宅で療養し残された時間を過ごす選択肢が考えられてきます。
また、延命治療を希望しない人が意識調査でも年々増加していることも理由として考えられます。
何が何でも生きるのではなく、病気と向き合っていくという意識が高くなってきたのでしょうね。
コメント