6月15日

 

朝から、頭痛と吐き気が続いていた。

一日中、頭痛と吐き気は治まることがなかった。

この日は微熱も続いた。

そして握力は左右とも20程度と下がったまま。

頭痛と吐き気は強くなったり、弱くなったり。

とりあえず我慢する。

 

「今日は検査があります。」

 

看護師さんが、朝声かけしてくれる。
採血と検尿をする。

 

そして、配膳。

食欲はなかった。
朝ごはんも手がつけれず下げてもらう。

妻の買ってきてくれた冷蔵庫のお寿司もそのまんま捨てるしかなかった。

 

 

しばらくして、主治医の先生が診察にくる。

 

「風邪薬が吐き気の原因かもしれないので止めることにしますね。」

 

…はい、おまかせします。

 

「吐き気止めも鎮痛剤も連続指示出してますので我慢せず言ってください。」

 

…はい、辛かったらお願いします。

 

 

 

今日、点滴大丈夫かなぁ。
僕、死んでしまわないか?

大袈裟ながら少し思ってしまった。

 

気がつくとご飯どころか、水分量もこの一両日すごく減っていた。

 

500ml飲むかどうか。

オシッコが少なくなっていた。

 

医療従事者として客観的にこれはダメだと思ったのでしんどくても、とにかく水分は口に流し込むことにした。

 

 

点滴はいつも通り始まる。
昨日の通りゆっくりとした時間での滴下。

 

ときおり、筋肉がジンジン痛くなる。

両肩の怠さがピークになると、横になっていても手が重たくて仕方ない。

 

ベッド柵にもたれ両手をのせる。

それが一番楽だった。

自分の手が、こんなにも重たいものだと思わなかった…

 

 

ご飯さえ食べれない僕を見て、心配してくれた何度看護師さんから

 

「ご飯、介助しますよ?」

 

何度となく声をかけてくれたが、どうしてもお願いする気になれなかった。
ご飯を食べさしてもらう…どうしても抵抗がある…

 

看護師さんに口をあーんとするには照れもある。こんなオヤジが食べさしてもらう絵面って…

 

 

でも一番は手をわずらわせるのが申し訳ない。

業務が一つ増えるだけでも大変になるはずだから。

なんとか自力で頑張ります。 

 

…でも、今日は食欲もあまり出ない。

頭痛と吐き気があるため食べるのは辛かった。

 

 

 

今日からリハビリが開始。

 

ただ、まだ無理に訓練できる段階ではなくマッサージなどかメインだった。

無理に負荷かけて、疲労するのは逆効果。

 

焦ったらいけない。

だけどベッド上安静の僕は結構、筋肉が落ちていた。

元に戻していくのに、どれだけの時間かかるのかな?

 

 

リハビリ中、OTさんやPTさんとリハビリの仕事のことや他のギランバレーの患者様はどんな経過で治っていったかとかの話をした。

 

やはり、どのくらい悪くなるのか。
どのくらいで回復するのか。

自分とは違っているのは判っていても気になって仕方なかった。

 

 

早く元気になりたい。
早く仕事に戻りたい。
家族の元へ帰りたい。

 

 

 

 

 

今日、子供を連れて妻が来たのは夕食の時間になってからだった。

ぐったりしていたが、家族の顔を見て少し元気がでる。

 

不思議なもんだ。

 

妻の両親が心配して昨日やってきて泊まったらしい。
車で二時間以上かけて、来てくれていた。

弱ってる僕のことを考えて今回は面会は断り、代わりに観光案内してたらしい。

お願いしていた父の日のプレゼントを義父に早めに渡してもらった。

 

本当は、週末に訪ねる予定だったけど無理になったから…

 

 

 

妻は、僕以上にギランバレーの症状や他の人の経過など沢山調べていた。

いろいろと説明してくれる。

 

何でも言ってほしい。
出来ることならしてあげたいと。

 

動けない僕の分、負担を大きくかけてしまってる。

 

 

点滴は明日で最後の予定だったが、点滴漏れがあったため一旦抜いた。

数日前より、痛痒い感じがあったが手を見てみるとテープかぶれで赤くなっていた。

 

 

 

解放された気分。
少しすっきりした。

 

 

明日は身体どうなってるかなぁ…

 

 

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