∞アクムノハジマリ∞
《ザーーー…》
…
…雨の音がうるさい。
頭の中で降っているみたいだ。
《ピーポーピーポー…》
『おーい、大変だ!』
『こっちだ!早く!』
サイレンの音。
ザワザワとした人の声。
かすかに聞こえてくる。
…何かあったのか?
音はすごく近いのに何故か遠い。
身体がフワフワする。
だけど重たい。
《ザーーーー》
ひんやりした空気が私を包み込む。
温かい身体に冷たい雨が心地いい。
雨の音がずっと鳴っている。
まるで止むことのない様子で降り続ける土砂降りの雨。
後は何も覚えてない。
そこから全てが始まった。
いや、全ての終わりだったんだ…