目次
看護師減員・医師早退を反映させず
近畿日本ツーリストが名古屋市に過大請求した問題は、新型コロナウイルスワクチンの大規模接種会場の運営を委託された業者の不正行為を示すものです。この問題は、近畿日本ツーリストが全国86の自治体に対して約16億円を過大請求していた疑いがあると発覚したことを受けて、同社が緊急に社内点検を行った結果、判明したものです。
過大請求されたのは、昨年3月から10月まで中区役所内で実施された集団接種会場の運営業務で、契約額は約9億5000万円でした。しかし、近畿日本ツーリストは、看護師の配置を減らしたり、医師が早退したりなどした分を請求に反映させず、約1000万円を不正に請求していました。同社は「会場の担当職員に事務処理能力がなかった」と説明していますが、名古屋市は「ご迷惑をおかけしたことをおわびする。再発防止を徹底したい」とコメントしています。
名古屋市は、近畿日本ツーリストから返金の意向があることから刑事告訴しない方針です。しかし、この問題は市民や患者の信頼を損なうだけでなく、公金の無駄遣いや不透明な契約管理も問題視されます。名古屋市や近畿日本ツーリストは、真摯に事実究明に取り組み、適切な対応と説明を行う必要があります。また、ワクチン接種会場の運営や監督体制を強化することも重要です。
コメント