ノーベル生理学・医学賞の発表が終わりました。
3年連続日本人の受賞が期待され医療の分野でも候補となる方が数名いましたが結果は残念でした。
今年の生理学・医学賞は体内時計を制御する分子システムを開発したアメリカの科学者が受賞しました。
ノーベル生理学・医学賞
6部門のうちの一つで、「生理学および医学の分野で最も重要な発見を行った」人物に与えられる。
メダルは表面はノーベルの横顔で裏面に病気の症状に水を汲んでいる医者の姿がデザインされているそうです。
ちなみに過去に日本人で生理学・医学賞の受賞者はどのくらいいるか知っていますか?
1987年
利根川進さん:多様な抗体を生成する遺伝的原理の解明
大きな謎を解明した100年に1度の研究と委員が評価しました。
それまでは遺伝子のDNAの構成が不変と考えられいたため、解明によりそれを覆すことになりました。
免疫グロブリン遺伝子でDNAが自ら動いて構成の再配列を行い、染色体の構造が変わることでいろいろな抗体を作っていたことを研究によって明らかにしたのです。
1000個ほどの遺伝子が100億種類以上の抗体を作り出していたといいます。
二人目の受賞者は少し間が空いて
2012年
山中伸弥さん:様々な細胞に成長させる能力をもつiPS細胞の作製
人工多能性幹細胞。
正式名称は英語でinduced pluripotent stem cellといいます。
この頭の文字を組み合わせたものがiPS細胞です。
iPS細胞の前からES細胞と呼ばれる多能性幹細胞がありました。しかし受精卵を利用するために倫理的な問題が叫ばれていました。
iPS細胞は本人の皮膚や血液などから作成が可能で
生物のあらゆる細胞に成長できるため傷んだ臓器や組織の治療を行う再生医療への期待が膨らみました。
だんだんと医療のなかでiPS細胞を応用したものが出てくるのではないでしょうか。
今まで治せなかった病気にまで、大きな光が射しこんでいます。
2015年
大野智さん:線虫の寄生によって引き起こされる感染症の治療法の発見
アイドルの嵐と同じ漢字で話題になりましたが、各地で土壌を集め、薬に使える微生物を調べていました。
新種の放線菌を発見し化合物を開発。
アフリカや中南米にある風土病であるオンンコセルカ症に効果があることを発見。アフリカで毎年数万人が失明していたがこの薬を無償供与を開始したため、この病気が撲滅するとWHOはみているという。
世界で年間3億人を失明から救っているそうです。
また、このほか微生物から発見した化合物が500種類にもなり、30種類が実用化されている。
無償で提供…なかなかできることじゃないですよね…
発見するのも地道な努力が必要なものなのに、見返りをもとめないなんて凄いです。
2016年
大隅良典さん:オートファジーの仕組みの解明
オートファジーとは自分自身を分解するという意味で、細胞のリサイクルシステムの分解に関わる機能。
細胞内の入れ替わりを助ける役割をしている。
世界で初めてメカニズムの解明に成功した。
利根川進に続く二人目の日本人の単独受賞になった。
この仕組みをつかって、神経変性疾患や癌、老化現象による病気など新しい医療や医薬品の研究がすすめられている。
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