厚生労働省は3月31日の第4回医療従事者の需給に関する検討会医師需給分科会のなかで、医師の需要を大きく見積もっても、2040年には医師の供給が需要を1万8000人程度上回ると推計した。
この「医師需給の推計に「仕事量」を考慮もので
30~50歳代の男性医師の「仕事量」を1
60歳未満の女性医師・60歳以上の高齢医師の仕事量を0.8
1年目の初期研修医は0.3、2年目の初期研修医は0.5
としています。
そして、人口減少に伴って医師需要が減少する。
このままのペースで医師供給が続けば、2040年には供給が需要を約1万8000人程度上回ることになる。という内容でした。
研修医の仕事量…こんな評価になるんですね。
歯科医師の数
すでに、供給が多くなってしまっているのが歯医者さんですよね。
歯科医院がコンビニの数より多いと話題になりましたが、歯科医師の数は1970年から約3倍になってます。
収入の確保が困難なため、廃業する歯科医院は後を絶たちません。
弁護士が余ってると言われる時代。
資格を取るための労力と結果が割に合わなくなっているのでしょうか。
資格を取ってからまた、より一層頑張らないといけない時代なんですね。
医師不足と病院の倒産
あれ?医師が余る?
医師不足はどうなったのでしょうか?
2000年代後半
覚えてますか?急増した医療機関の倒産の急増。医療の崩壊。
2005年~2014年の医療機関の倒産は計368件。
減収によるものが原因のものが半数近くであった。
きっかけは医師の研修制度の変更と膨らむ医療費を抑えるための2002年からの診療報酬の引き下げが3回続いたことでした。
2004年4月の新医師臨床研修制度
大学病院などのみで研修が可能だったのが、民間病院でも研修ができるようになった。
大学医局に属さなくても初期研修を受けることができるようになり、大学病院での医師が不足するようになった。
大学病院は地方の病院に派遣していた医師を引き上げられ地方が医師不足となる。
厳しいのが中小規模の病院で、大病院への患者が集中し地方は医師不足で診療科を閉鎖。
医師不足で患者減少。収入は減り、医師の確保が人件費の増加に。
急性期一般病棟の患者7人に対し看護師1人「7対1看護」で大病院が看護師を取り合い、中小病院は看護師が不足。
2006年の診療報酬の約3%の減少とさらに収入は減り、出費は増えるという負のスパイラルが多くの倒産を招いた。
現在の病院の経営状況
医療法人でも30%が赤字、なんと公的医療機関で70%が赤字になっている。
だいたい40%の病院が赤字経営。
内科、外科、小児科、産科、救急は過酷な勤務状態にあり、訴訟や逮捕などのリスクからも転科したり、志望する医学生が減ってきている。
外来患者の数に対し、診察する医師が少なく待ち時間が長い。
そのうえ説明の義務や書類の増加により仕事量が増えている。
小規模の医療機関に少数の医師が分散し、医師充足を難しくしている。都会の症例がたくさん集まる大規模病院に医師が集中し地方の病院の医師が不足。
介護施設の経営状況
介護士は給与が安くキツイために人が不足。
老人福祉事業の倒産は13年度が46件、14年度が45件。
10年間に428件の休廃業・解散。
介護報酬が引き下げられ、さらに事業継続が困難な事業者が増えると思われる。
経営や医療費ということでは明るい話題はなかなか出ないですね。
医療費、介護費を抑え、医療・介護を維持するには予防医学が注目されています。
理由は病気を予防することで検査や治療にかかるお金が減るということが期待されています。
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