日本病理学会の調査によると、死亡後に行う病理解剖の実施件数が30年間で7割以上減っていると発表した。
病理解剖が7割以上減っている…
看護学生時代に医大に行き勉強させていただき、また看護実習中にも勉強させてもらった経験があります。
そのため、患者様やその遺族の方には本当に敬意をはらいます。
しかし、その解剖が減少しているということがニュースになっています。
そもそも、病理解剖とは何なのか?何のために行うのか?
病理解剖
剖検ともいいます。
亡くなった人の死因となったものを解明するために行われます。
臓器、組織、細胞を直接観察し医学的な検討を行う。
行う理由
病死に至る経緯を医学的に明らかにすることで、主治医が治療を行った患者が亡くなった時に死亡に至る病気の進行を学ぶことができるのです。
公衆衛生の向上と医学の教育に資することを目的に、治療の適切性が検討でき、客観性の高い資料になる。
その結果、同じ病気で苦しむ人への治療に役立てることにもなります。
注意点
義務はなく医師が必要と判断すれば、遺族に承諾を得てから死体解剖保存法に基づいて行われます。
死体を取り扱うため礼意を大切に行います。
費用は病院が負担。遺族が払うことはありません。
解剖についての法律は死体解剖保存法によって定められています。
内容
専用の施設で2~4時間ほどかけて行われます。
胸部や腹部を開いて、調べる目的の臓器を取り出し検索。
着衣をしていれば切開した傷が見えないように配慮し、傷はきちんと縫合します。
減少の理由
診断や死因の確定、治療効果の確認、新人医師の育成になる病理解剖。
日本だけではなく世界的に低下傾向にあるそうです。
報告書の作成する必要がある。業務多忙のため難しい。
病院が1件の費用約25万円を全額負担するため、病院の経営面で難しい。
遺族が承諾をしない。
行政解剖・司法解剖
病理解剖はサスペンスなどドラマにでてくる行政解剖、司法解剖とは違います。
これらの解剖は死因がはっきりせず異常死体に対し行われる社会的な意味での解剖検査になります。
そのなかで司法解剖は犯罪性のあるものにたいし行われるものになります。
行政解剖は犯罪性がないもの、または低いものに行われます。
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