続けてトリアージについて今日も。
トリアージナース
外来に来た人を、来た順番にみていては手遅れになってしまうことがあります。
なにより、コンビニ診療として重症でもないのに救急車の使用や、仕事で来れないので夜間に薬をもらいに来るなどの受診をする人がいます。
2007年厚生労働省より休日や夜間に救急外来に来院した場合、専門的な知識や技術を持つ看護師がトリアージを行うことで、より適切な医療や医師の負担の軽減ができるという通達がでている。
トリアージナースは、院内でトリアージを行う看護師のことです。
災害ナースとは違います。
何のために必要か?
平成24年診療報酬にトリアージ加算ができるようになりました。
診療報酬に加算できるのは、病院経営として大切なことです。
ウォークインの患者も含め救急患者などが待合室でいる時に、緊急性のある患者から医師の診察を受けれる流れをつくる役割を行います。
その結果、診察時間の短縮やスムーズな診察につながり、救急外来の死亡率の減少や診察を待っている患者さんの不安軽減の効果が期待されます。
どうやって資格が取れるのか?
じつは、トリアージナースは専門の資格はありません。
近いものの認定看護師としては、救急看護認定看護師がありますが全国で資格者の数が少ない状況にあります。
2009年に日本救急看護学会と日本臨床救急医学会が合同で委員会を持ちトリアージナース教育コースができました。
育成研修が日本救急看護学会によりトリアージナース育成研修会が行われています。
受講資格は、
日本救急看護学会の主催するフィジカルアセスメントウェブ試験に合格していること。
日本臨床救急医師学会のJTASを受講していること。
が必要になります。
JTASとは
Japan Triage and Acuity Scale
カナダの病院外来のための緊急度判定ツールのCTASを日本語に翻訳したもの。
救急外来や時間外外来で使用される救急度判定システムのこと。
救急者での患者、車や徒歩で来た患者関係なく全ての患者に行う。
成人は17カテゴリー、165症状に分けられていて症状とバイタルサインを合わせて判定します。
青 緊急度が高く、すぐに治療が必要。
赤 緊急で10分以内の診察が必要。15分ごとに再評価。
黄 準緊急。30分以内の診察が必要。30分ごとに再評価。
緑 低緊急。1時間以内の診察が必要。1時間ごとに再評価。
白 非緊急。2時間以内の診察。2時間ごとに再評価。
病院での治療なので、通常のトリアージの黒にあたるものはありません。
どんな能力が求められるか?
経験と知識が必要になります。医師がスムーズに診察ができるように、情報収集やフィジカルアセスメントを行う能力が必要です。
そして判断力と観察力が求められます。他科や病棟、コメディカルとの連携をとれる能力が必要になります。
医師への依頼、患者・家族への説明や問診の対応のため接遇、コミュニケーション能力が大切です。
情に左右されず判断できる力、ときに後回しにされた患者からのクレームへ対応できる精神力も欠かせません。
異常の判断ができる。緊急度の判断ができる。
調整能力。他の職種との連携
コミュニケーション能力。患者家族への説明
精神力と体力
判断ミスにより重大な結果をもたらすかもしれないという悩みは、ずっとついて回ることになると思います。
それでも、救急外来や夜間休日外来で、沢山の患者が受診される病院には求められるナースです。
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