トリアージ
医療ドラマで耳にすることがあると思います。
沢山の負傷者が出たときなどの現場でトリアージが行われています。
言葉の意味を知っていますか?
トリアージ
フランス語で選別の意味。トリアージュともいう。
医療で使われるときは、事故現場や災害時、集団の食中毒など災害医療で治療優先順序の選別をすること。
なぜ、フランス語なのか?
ナポレオンの時代にフランス軍がはじめたと言われています。
戦争時の負傷を地位や能力で優先されていたのです。しかし、軍隊の戦力回復の手段としてトリアージが行われるようになりました。
日本へは明治21年に森鴎外が、ヨーロッパからシステムを持ち帰ったのが始まりとなります。
中華航空機墜落事故にて消防と医師会で様式が異なり、現場が混乱したことを教訓に標準化へと動きます。
そして阪神・淡路大震災をきっかけに、トリアージタッグの標準化がされました。
なんで、行うのか?
過去に軽傷者の対応に時間がかかり、重症者が助けれないという事故がありました。
非常時に限られたマンパワーや物品・設備を活かし一つでも多くの命を救うための判断の材料として使われています。
トリアージタッグ
赤 緊急に治療が必要。
黄 多少治療が遅れても生命に危険がない。
緑 急を要しない軽傷。
黒 死亡、または手当をしても助けれない。
4色のマーカー付カードで表示。
不要な部分の色を切り取り、先端の色で状態を示す。
START法を使用し色を分けます。
START法
最初に
自分で歩けるかどうか?
歩けるなら負傷があるか、具合が悪いか?
無いなら問題なし。
あるなら緑となります。
歩けない場合は
呼吸はあるか?
呼吸器回数は?
脈拍など循環動態は?
意識レベルは?
呼吸がなければ気道確保し、呼吸無いままなら黒、呼吸の再開があれば赤になります。
呼吸があっても呼吸数が1分間に30回以上または1分間に10回未満なら赤になります。
呼吸に問題ない場合は脈拍を確認。120回以上、または脈がなければ赤になります。
脈に問題なければ意識レベルを確認します。
簡単な指示に応じれない場合は赤、応じれたら黄になります。
と確認し、黒・赤・黄とトリアージしていきます。
治療や搬送は、赤のタグの方が優先になります。
問題点
すべての患者を救う、医療の倫理に背く行為となってしまう。
区分が4つのために同じ色でも、優先度が大きく異なることがある。
後回しにされる負傷者にとっては納得いかない気持ちから、不信感をもってしまう。
黒のタグの死亡または助けれないという決断、軽傷者でも強く症状を訴える人などを緑と判定するなどの非道と呼ばれる厳しい選択をすることになる。
難しいのが黒のタグの判断。
その時の現場の状況で黒や赤が変わってしまう。
なにより心情として、黒色のタグの判断を躊躇してしまう。
判断した人も、判断された人も心に深く傷を負ってしまうこともある。
判断に迷い、より多くの犠牲者が出る可能性もあるので難しい状況ですよね。
子供やお年寄り、女性なども迷う原因にもなってしまいます。
場合によって、判断を後悔して引きずってしまうことにもなりかねません。
ずべての人を助けることができるなら、それが一番なんですよね…
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