梅毒の患者が99年以降、最も早いペースで増加している。
今の段階で去年の1.3倍の2000人を超えた。
うち700人近くが東京。大阪が300人近くと大都市で多い。
2012年以降で感染者が5倍になっている。
東京都では過去10年で10倍以上の患者の増加。
しかし、感染していても受診してなケースも多いので、感染者の数はもっと多いと思われます。
梅毒とは
梅毒トレポネーマという菌が皮膚や粘膜の小さな傷から血液中に入り感染。
性行為による感染が多い。オーラルセックスでも感染する。傷がある場合はディープキスでも感染。
1回のみではなく何回でも感染する。
5類感染症。7日以内に医師は保健所に届け出を行う。
経過と症状
1期~4期と進行していきます。
1~2期が感染力が高い、早期梅毒という。3~4期は晩期梅毒になります。
治療に効果があり第3期~4期はほんとど見られなくなっている。
感染して3週間ほどで症状が出現する。
第1期:3週間から3ヵ月
病原菌の侵入部位に小さい米粒から大豆ほどのしこりができる。
太ももの付け根のリンパ節が腫れる。
治療しなくても数週間で消失。
第2期:3ヵ月から3年
リンパの腫れ、関節痛、発熱、倦怠感、梅毒性脱毛症が出現する。
バラ疹:全身の皮膚に赤いあざのような斑点、手のひらや足の裏にも出現する。
扁平コンジローマ:肛門や外陰部に腫瘤する。
梅毒性アンギーナ:口腔内に潰瘍、腫脹ができる。
また、早期から目や脳に症状が出ることがある。
治療しなくても数週間から数か月で自然に消失。再発を繰り返しながら進行。
第3期:3~10年
結節性梅毒:皮膚にしこりができ、その後に潰瘍になる。
ゴム腫:筋肉や皮下、骨にコブができる。
第4期:10年後以降
進行麻痺、脊髄癆、大動脈炎、大動脈瘤 臓器に腫瘍ができて死に至る。
全く症状の出ない場合もある。
潜伏梅毒
症状がないまま感染している状態。人には感染させてしまう。
症状があまり出ないことや、一時期沈静していたため医師でも梅毒の病気の診察が経験不足から診断が難しいことがある。
HIVと併発の感染報告が多くある。
梅毒患者は同じ感染経路であり皮膚の潰瘍からHIVに感染しやすい。
梅毒の陽性の場合はHIVの検査も必要になる。併発時は、病巣は重篤化し神経梅毒への進行が速い。
※HIVとは。過去の記事から
治療
抗生物質のペニシリンにより病原体を死滅させることができる。
海外では注射での治療をしており1回で済むがが、日本では無いので内服によるものになる。初期でも2~4週間の内服が必要になる。
治療までの期間が長くなるほど内服の期間が長くなる。
症状が無くなっても医師の指示があるまでは勝手に内服をやめないこと。
治療時に下記の症状が出ることがある。
ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応
発熱、倦怠感、筋肉痛、発疹の悪化が出現。
病原菌の破壊によって症状がでる。薬の副作用ではない。
日本産婦人科学会が発表。2011年からの5年で21人の赤ちゃんが先天性梅毒と診断。5人が死亡。4人に後遺症が起こっている。
妊婦から胎児へ胎盤から60~80%での母子感染があり先天性梅毒がおこります。
感染すると40%ぐらいで死亡。
先天性梅毒
多臓器感染症。皮膚の病変、発育不全、水頭症、肝脾腫、知的障害、仮性麻痺、髄膜炎、痙攣、口周囲の亀裂などがみられる。
妊娠初期に健診にて梅毒の検査を行い、陽性時には治療が行われるため本来は起こらない。
抗生剤の治療は胎盤を通じて胎児にも効果があるために健診をきちんと受けていたら大丈夫。
しかし、金銭的な理由などから受診や治療が行えず先天性梅毒が発症している。
若くなるほど妊婦さんの感染率が増加し10代で平均の8倍にもなるとか。
現在、20代前半の女性に感染報告が多い。
症状がなくても健診、治療を行うことは、お腹の赤ちゃんを守ることになるのです。
検査
感染してから4週間以降で血液検査。
STS法とTP法があります。
また、受診に抵抗がある場合は、自宅でできWEBで確認できる郵送検査キットもあります。
予防
予防はコンドーム。
しかし100%ではない。コンドームでの保護以外の部位からの感染の可能性がある。
感染が分かった場合大切なのはパートナーの受診。
なんで増加しているのか?
梅毒はアメリカや中国で増加していました。
海外からの観光の増加にて、日本の風俗店を利用。
そして、風俗店に勤務している女性から広がったという説があります。
しかし、根拠はありません。
まとめ
梅毒は20代女性、都市部を中心に増加している。
性感染症だが、コンドームでの予防は100%ではない。
妊婦が感染すると、赤ちゃんが先天性梅毒になり障害や死亡に至る。
妊婦健診にて発見でき、治療も行える。
HIVとの併発も多い。
症状の出ないこともある。何度でも感染する。
コメント