4月3日火曜日(曇り)
《プシュープシュー》
う…ん…
…いつも機械の音で意識が繋がる。
入院中、いつも私にとって子守歌であり目覚ましだ。
イライラするときもある。
聞きたくなくても絶対に逃げれない枷。
逃げる所がない
逃げる体がない
…目を開ける事も面倒くさい。
それでも、光を確認したくて僅かに開ける。
…
え…
…何でだ?
今、気づいた。
天井から写真が無くなっていたんだ。
そういえば最近、優花ちゃんの声を聞いてない…
ずっとずっと会ってない感じがする…
何かあったのかな…
それとも、意識ない間に沢山の時間が過ぎてしまったのかな…
もしかして呆れられたのかな…
元気にならずまた悪くなった私に嫌になったとか…
一生懸命に看護しても治らない馬鹿を諦めたのかな…
私はみんなから捨てられたのかな…
誰でもいい
会いたい
人の声が聞きたい
誰か…
…そんな私の言葉に誰も答えてくれるはずもなくて
精神が孤独感に包まれる…
私は霞む視界に入ってくる、色あせた天井を虚しく見つめていた…
この世界にたった一人ぼっち…
そんな感覚に襲われ
ゆったりと、ゆったりとした時間が流れていた。
ただ、誰かが訪れることを待っていた。
誰でもいいんだ。
看護婦さんでも
…たとえ何かの勧誘員だったとしても
人に触れたい…