いつも取り上げるときは、異常なぐらい盛り上がっていつのまにか忘れされていくニュースがたくさんある。
そういえば、あれどうなったのだろう。
ああ、そういえばそんなことあったなぁ。
時間が過ぎあっというまに風化される。
だけど当事者や周囲の人は事件がのあとマスコミから大きな被害をうけている事がある。
取材の影響で時にはそれまでの生活は失われる。
大口病院の点滴事件を覚えてますか?
大口病院点滴事件
終末期患者の多い病院で9月に2人の入院患者が中毒死をした。さらに2人が入院していたフロアだけで7月から9月にかけて約50人もの患者が亡くなっていた。
衝撃を受けたニュースでした。
だけどあれだけ連日報道されていたのに、結局いまだに犯人逮捕の報道はされない。
当時は犯人は誰だと盛り上がり、看護師のトラブルがとりあげられ、メディア関係者はその看護師の自宅やトラブル相手と見られた同僚看護師らの自宅に殺到した。
彼女らの姿を隠し撮りするテレビ局もあった。
病院は入院病棟閉鎖の方針を固めた。事件が発覚した9月下旬以降の入院患者はゼロ。10月に入って過去に受診歴がある外来患者の診療を再開したが、収支は大幅な赤字。
事件に限らず医療事故や感染による死亡などテレビや新聞で流れると、患者はいなくなり、病院経営はあっという間にいおいこまれる。
経営者は訴訟等も含めて多数のリスクを背負いながら医療を行っている。
「何か報道されるたびにマスコミが押し寄せてくる。住宅街だし、目の前の道路も狭いので、正直迷惑」
という声もあがっていた。
皆さんは何も感じませんでしたか?
この事件、なんで?と思ってしまう報道がワイドショーなどで再三流れたのです。
報道された真実
点滴のボトルの仕組み、事件の再現、実際にしたらどうなるのか?何が使われ、どうやったのか…
実際のモノを用意し、実際に針を刺してみる。どうやって保管しているのか。出入りはどうなのか。
そこまで詳しく報道する必要あるのか?と疑問に思った。
だって、仕組みを知らなかった人が、簡単に真似できるではないか。
現場の人間として私はゾッとした。
やっぱり、なんでも報道すれば良いものではないと思うんです…
病院に対して不満や恨みを思ってる方がスタッフに暴力行為を行う事件も時々流れるのに、安易に点滴の方法をテレビで流すと病室で点滴を吊っている状態でさえ心配になってしまう…
この事件のあと、点滴の事件はなかったのだろうか?
いえ、あるのです。報告があっただけでも数件。
ほかの病院で
北九州市 産業医科大学病院
10月20日、薬品保管庫などの鍵束と保管庫に入っていた鎮痛剤のアンプル2本がなくなっていた。さらに、患者に投与中の点滴1本と未使用の2本に、針で開けたような穴が開いていた。
11月20日、看護師2人が使用前の点滴袋を点検中、輸液がにじみ出た袋があるのに気づいた。針で開けたような小さな穴が1カ所あったという。病院によると、20日は休診日で外来患者はおらず、病棟には病院関係者と入院患者、見舞客が出入りできる状態だったという。
大阪市 府立成人病センター
11月22日、点滴袋2個に穴などが開いているのが見つかったと発表した。うち1個は入院患者に投与中だったが、異物の混入や健康被害は確認されていないという。
下関市 森山病院
12月2日、保管中の点滴1袋に針で刺したような穴が開いているのが見つかった。袋の上部に針で刺したような穴が二つ開いていた。
大阪市 北野病院
昨年12月28日午後、ナースステーションで点滴袋から漏れているのに看護師が気づいた。調べたところ、引っかれて破れたような跡が見つかった。
1月1日午前には、同じ階の病棟で、ナースステーションから点滴袋を運んだ際、トレーがぬれているのが見つかり、袋に小さな穴があいていた。いずれも倉庫にあったものを、使用する当日に、職員が出入りする7階ナースステーションに移し、箱に入れて棚に置いていたという。
届け出がなかったものなど、本当はもっとあるのかもしれない。
または事件の前から時々あったが今回のことを受けニュースに取り上げられるようになったのかもしれない。
ただ、大口病院の事件のあとに模倣的な事は起きている。
それは間違いないことで、働いているスタッフは大変だと思いますが点滴の状態には十分注意しながら勤務にあたってください。
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