東京や大阪など民間のクリニックが他人の臍帯血を使った再生医療を無届で行っていた問題。
愛媛、京都の府県警の合同捜査本部が臍帯血販売会社の代表らを再生医療安全性確保法違反容疑で逮捕する方針。
臍帯血をつかった再生医療を無届で行っていた事件で、京都市の愛幸会の運営者が臍帯血投与後に死亡した患者の遺族に治療費の一部を返金していた。
捜査本部は、口止めを図ったとみているそうです。
この患者は、末期のすい臓がんで病院に相談。
京都健康クリニックを紹介され、医師らが自宅に訪れ臍帯血を点滴した。
治療費は保険が使えないため約500万かかっていた。
末期がんで、なんとか治療法がないか模索しているなかでそこに付け込んだ事件…
がんに効くと謳ってすすめる無認可での臍帯血治療…
自由診療のために保険が使えない…効果も約束されたものでもない…
健康にたいするこういった事件は悔しいですね。
有効かわからない末期がん患者に治るといって、根拠のない高額の治療を行い…
病気で苦しんでいる人に、さらに経済的にも追い込んでいく…
また臍帯血はがんだけではなく、効果がはっきりしない美容の効果を謳い投与をすすめる。
今回の一連の事件をうけて
日本医師会が国が法的な規則を含めて厳格な監督・監視体制の整備を早急に検討する必要があると声明をだした。
違法の臍帯血の販売や投与で一昨年以降、少なくとも3億円以上が業者・医療機関に流れたという。
また、臍帯血の投与を受けた患者には中国人も含まれていた。
投与された臍帯血は民間バンクからの流出であり保存方法にばらつきがあり安全性が不透明であったという。
臍帯血
へその緒や胎盤に含まれる血液。出産時にしか採れない貴重なもの。
採れる量は約40~100ml。
細胞のもとになる幹細胞が豊富で白血病の治療などに使われる。
幹細胞は血液・血管・筋肉・軟骨・神経など多種多様な細胞に分化できる能力があり、再生医療への応用が期待されている。
臍帯血の保管
公的バンクに寄付した場合は第三者に提供される。
民間バンクは有料で赤ちゃんのために保管し、将来必要な時に利用できる。
再生医療の研究が進んだ時に、自分の臍帯血が役に立つ可能性あるということです。
今回の民間バンクの事件では、預かった臍帯血が識別番号と一致しないなどずさんな管理。
破たん後に個人の識別ができず利用が困難になり権利が放棄されていたものでした。
親が子供の将来のために保管したもの。
その信頼を裏切り、他の人へ使用されたとうことは許されないことだと思います。
もう、二度と手に入らないものなのに…
再生医療
生まれつき又は病気や事故、加齢により失ったり障害を受けた組織や臓器を体外で修復・再生し機能を補う。
新しい分野での医療。
法の規制がまだ追いついてないということでしょうか。
安全性、倫理…期待が大きい分、危険も潜んでいます。
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