日本慢性期医療協会が9月14日の会見で一般病床と療養病床の医療区分の廃止を求めた。
その代わりに看護配置などにより病床を分類する案を示した。
一般にはあまり馴染みのない名前かもしれません。
療養型病床
一般病床と療養病床の区分が2005年から始まりました。
要介護高齢者が長期療養を必要とした場合、医療も介護も受けれる病床のことです。
その介護療養型病床が2018年3月で廃止になります。
療養病床とは一般病棟と対照的に病状が安定し慢性期の患者の長期療養を目的とする病床。
医療処置やリハビリなどを行います。
2種類の型があります。
医療療養病床
医療保険が適用される。病気が慢性期の状態の患者が対象。
介護療養病床
介護保険が適用される。65歳以上で要介護認定が必要。
廃止の理由
医療型療養病床も介護型療養病床も実質変わりがなく、医療を必要としない高齢者の利用が問題視されていたことがあげられています。
高額医療の問題、看護スタッフの人員不足を解決するのが目的にされています。
病院であるのに医療保険ではなく、介護保険が適応されていたということが原因とも言われています。
施設に入所もできず自宅にも帰れない高齢者の居場所になっていたのです。
2006年から廃止する方針がありましたが移行が進まず期間が延長し2017年度末になりました。
そのため2012年以降は新たな開設は認められていません。
介護型療養病床と医療型療養病床の25対1の廃止が2018年3月に実施されます。
3年か6年の経過措置期間のあと、新施設の運営のスタートになります。
3種類の新病床
身体機能や医療重要度によって3つに分かれます。
aタイプ
容態急変するリスクが高い高齢者を受け入れる。医療重要度、介護のニーズが高い要介護4~5の高齢者が入所の基準です。
重篤な身体疾患や身体合併症のある認知症の高齢者で24時間の看取りターミナルケアにも対応する。
現在の介護療養病床に相当する。
bタイプ
aタイプより医療や介護の度合いが安定している高齢者が対象。
オンコールによる見取りやターミナルケアに対応。
3ヵ月ごとに入退所の判定を実施する。
現在の介護老人保健施設に相当する。
医療外付け型
医療機関が特定施設入居者生活介護を包括する新しい介護サービスの形。
要支援1から入居基準を設けており、bタイプまたは有料老人ホームと同じになる。
病床廃止における問題
現在、療養病床に入院されている方はどうなってしまうのでしょうか?
受け皿がなく強制的に退院となった後の行き場をなくしてしまいます。
現在、医療型療養病床が約28万床、介護型療養病床が約6万床。
慢性期医療協会のアンケートでは廃止について91%が反対の声があがりました。
それでも、あと半年後には廃止が決定しています。
どのように変化し対応していくことになるのでしょうか。
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