今回は産婦人科におけるニュースを3つ。
1つめは
大阪市の不妊治療のクリニックが21日発表。不妊治療でミトコンドリアを注入。5人が誕生した。
体外受精で精子と一緒に母親の細胞内のミトコンドリアを卵子に注入する方法。海外では実施例があったが国内では初めてで、21人中4人の女性から5人の子供が生まれた。
ミトコンドリアが卵子を若返らせ活発にさせる可能性があるとのこと。
臨床研究での効果は確かめられてないので、安全性や効果がどうなのかなど不安の声もある。
ミトコンドリアって生物の授業で習うアレですよね。
実際にどの程度の不妊治療の効果があるのかと生まれてくる子供の安全性はどうなのかありますが、不妊治療に悩む人に光の一つであることには違いがありません。
これから、臨床研究を進めていってほしいです。
千葉にある産婦人科の隣に納骨堂を含む寺院の移転計画が進められ、地元の医師会が反発し市へ条例の改正を求めている。
命が誕生する病院の横に、死を連想させるもがあるのは利用者は避けたくなります。
これは産婦人科に限らず、病院などの横に墓地などがあるのは歓迎はされないですよね。
納骨堂や寺院は必要なものではあります。しかし、どこに出来てもよいわけはなく難しい問題ですよね…
そして、最後に
日本産婦人科学会が24日の理事会で着床前スクリーニング検査を続けていた不妊治療を専門にする神戸クリニックの医師を会員の資格と産婦人科専門医の資格を三年間停止する処分にした。
3月に着床前スクリーニング検査を中止する誓約書を出すよう求めていたが拒否していた。
2004年にも着床前検査で除名をされ、その後復帰し2011年以降着床前スクリーニング検査を行っていた。
着床前のスクリーニング検査に新技術を導入し体外受精による受精卵の染色体を調べ、異常がないものを母体に戻ことで高齢出産の流産率を引き下げ妊娠率があがったと発表してた。
しかし、日本産婦人科学会では着床前スクリーニング検査を原則認めてない。
重い遺伝病、染色体の特定の形の異常による習慣性流産に限り認めている。
本当の論点は、このクリニックの医師は不妊治療で苦しんでいる人の妊娠率を少しでも上げてあげたい。そして、着床しやすい受精卵を選び流産などを避けることで母体の保護になるため着床前スクリーニング検査を行っている。高齢の方が流産で何ヶ月も時間を失う可能性を避ける意味も話している。
命の選別だと言われる行為だが、クリニックの医師は不妊治療のための行為であって異常な染色体を取り除くなどの選別のためではないとしている。これからも、この治療を続けるとしている。
会員の資格と専門医の資格の停止であり医師免許が消されたわけではないため診療は続けることができるのです。
日本産婦人科学会はこの着床前スクリーニング検査が流産率を下げるのか検証すると2月に発表していた。
神戸の医師には禁止するよう求め、それとは別に学会では行っていくということです。
この理事会でもう一つの発表が
昨年12月10日に新型出生全検査を無認可でしていた3人の医師を懲戒処分にしていたが、そのうち1人の大阪市の病院の院長から学会の退会届が提出されたとして受理された。
とのこと。
新型出生前検査
以前は絨毛検査や羊水検査などであったが、妊娠10週前後からの妊婦の血液を調べるだけで生まれる前の胎児の13番目、18番目、21番目の染色体の異常の有無を調べることが出来るようになった。陰性と結果でた場合99%の精度になる。陽性の場合は絨毛検査や羊水検査で確定診断を行う。
日本では2013年4月より開始され35歳以上や染色体異常の子供を産んだ経験のある妊婦が対象になっている。
そして異常と診断された妊婦の96.5%は中絶を選択しているという。
命の選別
そんな簡単な言葉では済まされないほど不妊治療は精神的にも、金額的にも大きな負担になります。
しかし医療が進歩し3Dプリンターや再生医療などクローンの技術が進むほどに、人がその領域に踏み込んでよいのかの倫理的な大きな問題と直面します。
それは決して、できるからやっていいわけではなく…
不妊治療といわれる技術も、今でもどこまでが倫理的に限度なのか本当に難しいのです。
きれいごとと言われるかもしれない正しい理屈と、現実に悩み苦しめられている藁にでもすがりたい当人。
本当にルールはどこまで必要なのか。
今回のミトコンドリアの注入や着床前スクリーニング検査による不妊治療、新型出生前検査は可能なら私も…と心から願う人は多くいるはずなのです。
答えをなかなか出すことの難しい医療の進歩した結果の問題がこれから溢れてくるのでしょう…
あなたの選択は?きっと正解も不正解もないのです…
6月26日の日本学術会議の検討会にて遺伝子を自由に改変できるゲノム編集技術で生殖細胞や受精卵を操作する生殖医療に対して国が指針で規制するよう求める提言書を出した。
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