出産の痛みを麻酔で和らげる「無痛分娩」について、厚生労働省研究班は16日、医療機関に対し、急変時に対応できる十分な体制を整えた上で実施するよう求める緊急提言を発表した。
ん?無痛分娩って危ないの?
2010年1月から16年4月までに報告された298人の妊産婦死亡例を分析。無痛分娩を行っていた死亡例が13人(4%)あり、うち1人が麻酔薬による中毒症状で死亡、12人は大量出血や羊水が血液中に入ることで起きる羊水塞栓症などだったという。
厚労省の地域医療計画課では、「普通分娩に比べて死亡率が高いというわけではなく、今回の提言は、無痛分娩は危険だなどと言っているものではありません。無痛分娩での死亡数が初めて出たので、提言を行ったということです」と説明している。
麻酔よる死亡は1名。
なのに見出しだけ見ると、無痛分娩は危険なの?と誤解を与えかねない記事ですよね。
これから無痛分娩を受けようとしている人には誤解を与えてしまいそう…
では、無痛分娩について勉強してみました。
無痛分娩
麻酔薬をつかい、陣痛の痛みをやわらげながら出産する方法。
痛みをやわらげつつも、意識はある状態で出産直後の赤ちゃんを抱っこすることもできる。
「痛みが軽くなる」のであって無くなるわけではありません。
あらかじめ出産日を決め入院するケースと、陣痛が起きてから出産するケースがありまが分娩日を決めて行う計画分娩になることが一般的です。
アメリカやフランスなどでは一般的である。しかしアジアでは全体的に利用率は低い状態にあります。
麻酔方法
硬膜外麻酔
チューブを入れて麻酔薬を注入する方法。
痛みをやわらげる効果が強いが、赤ちゃんへの影響はほとんどないといわれ、お母さんの意識も最後あります。
海外では硬膜外麻酔が一般的。
背中の腰に近い部分にから針を入れ、チューブを挿入して針を抜きます。 チューブだけが体の中に残り、背中にテープで固定します。このチューブから麻酔薬を注入し、脳に対して痛みのもとが伝わるのをブロックします。
点滴麻酔
静脈から麻酔薬を入れる方法です。
鎮痛効果が弱いが、事前の処置は簡単。
長所
痛みのストレスから解放され副交感神経が優位になる。そのため産道が広がりやすく、会陰切開をする確率は低くなります。
自分でいきんで出産ができる出産にかかる時間が短くなり母体への疲労感が少ない。
その結果、体力の消耗が減るので出産後の回復が早くなります。
内科的な持病を持つ母親の場合、母体への負担を軽くする目的で勧める事もあります。
無痛分娩が赤ちゃんに大きな影響を与えることはほぼないという研究結果があります。
短所
鎮痛効果には個人差があります。
麻酔の効果が強い場合、いきみを感じられない場合や子宮収縮が弱くなる場合もあります。
硬膜外麻酔は、胎盤を通過して赤ちゃんへ作用しません。静脈点滴は、母親の血管を通って、胎盤を通じて赤ちゃんへも作用が出ます。投与される麻酔薬の量が通常よりも多い場合は、出産直後の赤ちゃんが反応しにくいことがありますが一時的なものです。
費用
保険適用外です。そのため通常の分娩よりも費用が高くなります。
だいたい出産費に+1万~20万円ぐらい。
病院によって違うので事前に確認しておきましょう。
かならず無痛分娩を受けられるわけではない。
希望しても無痛分娩をできない場合もあります。
また、日本全国で約300施設が無痛分娩に対応していますが、ほとんどは都心部です。
無痛分娩を希望される場合は医師と相談し、利点や危険など理解したうえで後悔のないように。
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