面会時間も終わって皆が帰った病室。
 一人ぼっちになる。
やる事もなくて、ゆっくり目を閉じた。
静かだ。
自分の心臓の音がうるさく聞こえる。
まるで全力で走っているみたいだ。
 ドキドキする。
暑くもないのに汗をかいてきた。
 背中が冷たくなる。
ふぅ…
 頭がぼやーっとしてくる。
『……ね。』
微かに聞こえてきた声。
 女性の声だった。
『元気になってきたから、もう大丈夫よね…』
…誰?
ん。
…
目を開けようとした時、胸が苦しくなった。
背中が痛い。
ふぅふぅふぅ…
何だこれ。
 苦しいのがなかなか治まらない。
ふぅ…
いたたたたた!
うぅーーー…
…
ふぅ…
………
目を開けた。
 周りには誰もいない。
頭がボーッとする。
服が冷や汗でびっしょり。
何だったんだろ?
 夢だったのかな?
…今は身体は何ともない。
…
何か、すごく身体が怠い。
 胸がドキドキしている。
まだ2時か…
 もう少し目を閉じていようか。