4月27日金曜日(曇り後晴れ)
静かだ。
《プシュープシュー》
相変わらず鈍い苦しみが体を包み込んでいる。
重い身体にたいして頭の中はやけに冴えている。
…もしかしたら、残りの限られた時間を。
眠るのがもったいないって、無意識に拒否してるのかもしれない。
少しでも…
僅かでも永く生きたいと足掻いてるのか…
その時がくる瞬間まで。
死。
なるべく意識しないように避けてた死という言葉。
誰もがいつかは死ぬ。
それだけは皆、公平に
誰にも永遠の時間は存在しない。
死…
意識すると…怖くてたまらない…
耐えきれなくなる。
頭の中から離れない。
どんなに他の言葉で慰めて死をゴシゴシ消そうとしても…
逃げれない…
心臓をわしづかみにされたように苦しくなる…
死。
死んだらどうなるのかな。
考えても答えは出ない。
出るはずがない。
誰も知らないのだから。
それは死んだ人にしかわからない。
天国は本当にあるんだろうか…
地獄に落ちたら永遠に苦しむのだろうか…
それとも永遠に続く闇と静寂、孤独…
完全な無…
そんな世界かもしれない…
それは何も感じることも考えることもない世界…
…
怖い…
恐い…
ためだ…
気が狂いそうになる…
こわい…
小林裕が消滅する…
子供の頃、よく布団の中で死ぬとどうなるか考えてた。
いつも怖くてたまらなくなり眠れず泣いてしまった。
一人が嫌で、そんな時はお袋の布団で寝たっけ。
誰かの温もりが恐怖を和らげてくれたんだ。
大人なっても死を考えると怖くてたまらなくなる。
深く眠るのが怖いんだ。
眠った方が痛みから解放され楽になる。
だけど…
そのまま意識が無くなってしまいそうな気がして怖い…
自分が自分でなくなるのが怖いよ。
今、この瞬間が怖い
明日が来るのも怖い
逃げたくてもどうしようもない現実と
努力したくても何もできない真実と
《プシュープシュー》
この音で今は生きている事を確認する。
身体を包む痛みが生きている事を実感させてくれる。
苦しみが唯一、私とこの世をつなぎとめてくれていた。
現実感のない暗闇の世界で
温もりのない孤独な世界で
生きている事の奇跡強く感じ
生きていく事を強く祈り続けてる。