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4月17日火曜日(曇り)

4月17日火曜日(曇り)

『はぁーーー…』

《プシューー…》

 

 

『うー~ん…』

聞き慣れたため息。
悩む声。

 

 

 

佐々岡先生だ。
姿は見えなくても想像できるよ。

きっと患者が不安になるような難しい顔してるんだろうな。

 

 

 

久しぶりに診にきてくれたんだね。

 

 

 

 

!!

冷たいっ

 

 

 

先生が聴診器の先が冷たくてビックリした。
…ったく、心臓が止まったらどうする気だよ。

 

 

 

『はぁーーー…』

再び長ーいため息をつくと、しばらくして横にいる看護師にボソッと声をかけた。

 

 

 

『血液ガスの準備して。』
『はいっ。』

再び冷たい感覚が股のところで感じる。

 

 

 

痛っ。

針が刺された痛みは少しチクッとしたぐらいだった。

 

 

『これ検査出して。』

採血完了。
私の血はまだ流れていたようだ。

 

 

 

《バタン》

先生と2人っきりになった。



『ふぅー…』






















『何で…』

《ゴツ…》





静寂の後、病室に鈍い音が響いた。



《ゴン…》



壁に頭を打ちつける音だった。






『くそっ…』









胸がギュッと締め付けられた。




先生…
あまり自分を責めないでください…







私が我慢して早く病院に来なかったからいけなかったんだ…


私の身体がもっと強かったらよかったんだ…





私が悪かったんです。






先生は時間があれば顔出してくれていた。
外来の診察前の朝早くに
そして帰る前の夕方にも


何かあれば夜中でも飛んできて、休みの日でも回は顔を見に来る。






先生…
感謝してます…




すごく心配してくれた。
すごく喜んでくれた。






だからきっと
すごくがっかりしたはずなんだ…










《ガチャ》





『先生…』


検査結果を持ってきた。
走ったらしく息がきれている。






『…』




《トントン…》




小刻みに一定のリズムをとった音が耳元で鳴る。

指でベット柵を鳴らしている。


きっと、難しい顔をして考え事してるんだろうな。




《…》



音がピタッと止まった。



『炭酸ガスが上がってるな…』





《パチ。カチカチ。》


『…設定変えておくから。あと、抗生剤を変更し利尿剤増量ね。』



『はい。』



《バタン》



機械を触り、看護師に指示言うとすっと部屋から出ていった。





できる限り、誰にも迷惑かけたくなかっただけなんだよ。


だから我慢できるくらいの事は我慢した。



取り返しのつかない事になるなんて思ってなかったんだ。




今になって考えても全て手遅れ。





自業自得なんだよ…

 

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