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3月15日木曜日(晴れ)

頭の傷が痛い。

自業自得なんだよなぁ…

 

 

はぁ…

気まずくてみんなと目を合わせれないし…

おとなしくしているしかない。

 

 

ふぁ~…

眠たくなってきた。

 

 

退屈でたまらない。

昼寝してしまうと、夜眠れなくなって身体がしんどくなってしまう。

だけど、ぼーっと考え事していると悪い事ばかり考えてしまうし…

昼のテレビ番組はつまらないし…

 

 

ふぁ~…

自然とあくびばかり出てしまう。

 

 

 

《コンコン》

ん?誰だろ?

 

 

「…裕。」

スーツ姿の男性が、ドアから遠慮がちに顔を出した。

 

 

貴志…

小さい時から見慣れた顔。
だけど、すごく懐かしく感じる。

 

 

貴志の顔はやつれていた。

何かあったのか?
また、ご飯食べてないんじゃないのか?

 

 

…まあ、どうでもいいんだけどさ。

私は無視してテレビに視線を移した。

 

 

「なあ、何で目を合わしてくれないんだ?」

貴志は病室に入ってくると、ベットサイドに立ち声を荒げた。

 

 

はぁ?

 

何を怒ってるんだ?
どうせまた何もできない俺を嘲笑いに来たんだろ?

 

 

心の中では私を馬鹿にして優越感に浸ってるんだろ?

 

 

ざまーみろ。)

貴志の言葉が今でも頭の中で何度も繰り返される。

 

 

「なあ、裕。俺、何かしたか?」

 

 

ベット柵を両手で掴み頭を俯けた。
哀しそうな声。

 

 

まるで私が悪者みたいだ。

たまらずカッとなる。

私は思わず貴志のむなぐらを掴み睨みつけた。

 

 

うるさい!かえれ!

「え?」

唇の動きと表情で何を言ったかわかったのだろう。

 

 

貴志の顔が強張る。

 

 

[ともだち、づら、するなよ]

私はゆっくりと画用紙に文字を書いた。
その字はガタガタに振るえていた。

 

 

悲しいからじゃない…
苦しいからじゃない…

きっと、まだ手が十分に動かないからなんだ。

きっと…

 

 

 

「裕……」

貴志は言葉が出てこず、唇をギュッと噛み締めて私を見つめる。

 

 

両手の拳を握った。
その手は血管が浮き上がるほど力が入っていた。

 

何でそんな顔すんだよ…

 

 

 

「…帰る。」

《ガチャン》

そのとき、目から涙が流れていた。

 

 

なんだよ…

私の方がどれだけショックだったか…

騙されない。

 

 

もう信じて悲しい思いなんてしたくない。

人の心なんて目には見えないんだから。

 

 

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