2月3日土曜日(曇り)
《シューシュー…》
息がしんどい。
空気が薄いのか?
一生懸命、酸素を吸うのに吸ってる感じがない。
水の中にでもいる感覚みただ。
苦しい。
喉が圧迫されてる。
口の中に何か無理やり突っ込まれているような感じだ。
《プシュープシュー》
音に合わせて無理やり何かを吹き込まれている。
《ピッピッピッ…》
《ピーピーピーピー》
うるさい。
音が響く。
なんの音だろう。
ずっと傍で聞こえるいろんな音。
身体が重たい。
動かせない。
自分の身体じゃないみたいだ。
いや、身体が無いみたいな感覚。
『∇ΨФЫёйで…』
ん?
人の声?
誰かいるのか?
微かに聞こえてきた。
『小林裕さんは肺炎をおこしてます。レントゲンを見てください。』
誰?
男の人の声だ。
誰かと話ししている。
『右も左も真っ白になってます。また肺に水も溜まっていて自分で十分な呼吸ができなくなっているのです。』
そっか、可哀想に…
大変なんだね。
《シューシュー…》
『身体に十分に酸素を取り込めないため喉のところに管を入れさしてもらいました。』
テレビドラマみたいな話しだな。
そんな事あるんだね。
女性の泣き声が聞こえる。
ショックなんだろうな…
『今、ご主人は管の先を機械につけて機械によって呼吸を保ってる状態なんです。』
難しい話しが続く。
耳元でうるさいなぁ。
別の場所で話ししたらいいのに。
『小林さんには肺に無理やり酸素を送ってますので機械と喧嘩しないように薬を使って眠ってもらってます。』
しかし、小林さんとかいう人も災難だな。
あれ?
どこかで聞いた名前だな?
小林裕…
私だ…
…
…え?
本当に?
何?
これは夢?
《シューシュー…》
???
そうだ。
こんな話が現実なはずがないし。
私はまだ34歳だし
妻も小さい娘もいる。
だいいち、何も悪い事だってしてないんだ。
こんな目にあう理由がないよ。
ごく普通の生活をしてたんだ。
こんな事が現実であるはずがない。
なぁーんだ、
夢か。
早く朝が来ないかな?
暗闇は怖い。
寂しい。
はやく光を。