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2/2(金)日勤②

10゚07’

《ピーポーピーポー》

もう、救急車が来た。
ドクターと外来の看護師が入り口で待っていた。

緊張する。

大丈夫なんだろうか?

 

 

10゚08’

 

「道に倒れてるところ通報あり到着したときにはJCS100でした。」

 

 

救急車から患者様が降りてきた。

良かった、CPAではなかった様子だ。

 

 

《ガラガラガラ…》

 

 

「30代男性。持ち物から確認し家族には連絡しました。」

 

 

ストレッチャーを押しながら発見時の状態や搬送中のバイタルの報告を受ける。

唇や指先はチアノーゼを起こしていた。

処置室に入り胸にモニターを付ける。

 

 

HR122
呼吸回数42回

 

指先にパルスをはさむ。

 

SPO2が65%

 

「酸素10㍑に上げてっ!。ルートはとれたかっ?」

 

聴診器で肺の音を聞きながらドクターが叫んだ。

 

 

10゚10’

身体が冷たい…
雨に濡れていたって言ってたけど…

血管が出にくい。

駆血帯を閉め直す。
患者様の眉間に皺が入る。

 

「挿管と呼吸器準備して。バルンは入ったか?」

早口で大きな声が処置室を飛び交う。

 

「はい、血液ガス。」
「ガーゼ取って!」

 

ドクターが三人程集まり、看護師が指示に合わせて動く。

ピリピリした空気。

1分1秒たりとも無駄にできず動く。

 

「入れます。」

 

身体を水平にし、頭を後駆屈させる。

 

手足抑えて。」

 

ドクターの動作に何も言われなくても、看護師が素早く喉頭鏡を手渡した。

グッと口の中に押し込む。

その刺激に男性の手足が強く反応する。

 

 

 

10゚12’

 

 

ドクターが男性の口の中を覗きながら、手を差し出した。

スッと挿管チューブが手渡される。

 

「スタイレット取って、早く!!」

 

素早く挿管し、スタイレットを抜く。
バイドブロックを挟み固定する。
空気でカフを膨らまし、ドクターが聴診器で左右の胸の音を確認。

 

 

「OK!」

 

 

そのままテープでチューブで固定。
その先にアンビューを取り付けた。

ゆっくりバッグを押す。

 

 

10゚15’

 

《ゴロゴロ…》

チューブの中で痰が詰まっている音。

吸引し痰を取り除く。

皆の視線はモニターに集まっていた。

ごくっ…

 

息をのむ。

 

 

80
81
82…

ゆっくりSPO2が上昇をはじめた。

 

 

「ふぅ…」

 

 

ここでようやく一息ついた。

 

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