二月四日(日)
目が覚める。
付き添いベッドで横になってるけど疲れがとれない。
こっちが病気になってしまいそう。
夜中でも看護師の歩く音や話し声なんか結構、聞こえてくる。
それに身体の状態をみるために看護師さんが頻回に出入りする。
…主人は良くなってるのか、悪くなってるのか…
私にはよくわからない。
「パパぁ、どうしたの?なんで起きないの?」
綾が不思議そうな顔して主人の顔を覗きこんでる。
あなた、何で起きないの?
ダルい身体を起こし綾と一緒に顔を覗きこむ。
顔をつねってみた。
眉一つ動かさない。
いつもなら怒るくせに無視しないでよ。
いつも言ってるでしょ。
話しかけた時、無視だけはしないでって…
「ママ、パパはいつまでおねんねするの?」
綾が寂しそうな顔して聞いてくる。
…
綾、
私が知りたいのよ。
いったい、いつになったら目を覚ますの?
寝坊なんてした事ない神経質な主人が
まるで、今までの分を取り返すかのように今日も目を覚まさず眠っている。
何も答えてくれない。
不安と寂しさだけがどんどん大きくなる。
《ピッピッピッ…》
一定のリズムで刻む機械の音。
心臓のモニター。
山と谷の線を繰り返し表示してる。
テレビドラマではこの線が一直線になると死んでしまうんだよね。
怖い…
「旦那の体調管理もできてなかったなんて…」
ボソッと呟いて
主人の母親が私を睨みつけた。
そのとおりだ。
…こんなになるまで私は気づけなかった。
いっぱい無理してたのかな。我慢してたのかな。
あなた…
ごめんね…