国立がん研究センターが5月10日、小児や若い世代のがん患者に対し、国内初となるオプジーボを使う臨床試験を始めたと発表した。
小児がんは希少な疾患が多く発症する数が少ない。
また、難治性のものは効果が期待される薬がほとんどない。
そこで、国立がんセンター中央病院で医師が責任者となり治験が行われるというニュース。
治験て何?
ときどき高額のバイトなどで話を聞くこともありますよね。
治験とは
治験とは、厚生労働省から薬として承認を受けるために人への有効性や安全性について調べる臨床試験のことを治験といいます。
最初に動物で実験した後に人へと移ります。
三つのステージに分かれ、徐々に薬の量や対象の人の数を増やしていきます。
認可がおりて初めて保険適応となり、我々が治療薬として内服できるようになるんです。
では最近、耳にすることの多い夢の抗がん剤といわれるオプジーボ。いったいなんなのか?
オプジーボ
効き方の仕組みが今までの薬と全く違うため類似なものがなく希少。
今の抗がん剤は、特定のがん細胞の増殖にかかわる分子に働きかけていた。
がん細胞が体にできた時、免疫細胞ががんを攻撃しようとしても、がん細胞が攻撃されないようにブレーキをかける物質を作りだす。
オプジーボはその物質を外して、免疫細胞を活性化させて、がん細胞に攻撃をさせる働きをする薬である。
薬剤費
そして話題になったのは値段。
100ミリグラム約73万円で、患者一人につき月額の薬剤費が約290万円、年間なら約3500万円にもなる。
昨年の11月16日に開かれた厚生労働省の中央社会保険医療協議会2017年2月から半額引き下げられることが決まった。
薬剤の価格はすべて、2年に1度の診療報酬改定によって、市場の動向に合わせ見直されるものであったため異例の値下げとなる。
値下げの理由
健康保険には上限ががあり、残りの約3300万円が保険事業者の負担になる。
当初は対象は皮膚がんの1部の対象で500人程度の見込みでした。
しかし、適応が広がり患者を5万人と推定すると、年間1兆7500万円かかることになり大慌てになりました。
国民全体の医療費を急増させてしまうということになります。
それが今回の騒動へとなったのです。
唯一無二のくすりであるということが、良くも悪くも話題になってしまいました。
この治療を求め海外からくる患者もいると聞きます。
注意してほしいのは全員に聞くというわけではなく、また副作用もあり中には死亡した例ももちろんあります。
良いところばかりではなく、悪いことも知ったうえで、それでも患者は治りたいと願い治療を受けています。
これからたくさんの方に光を射す薬になりますように…
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