鹿児島県で90代女性が、マダニが媒介する重症熱性血小板減少症候群に感染し死亡した
4月22日に山に行っており23日に全身の痛みなどを訴え病院受診。28日に症状が悪化し5月1日に亡くなった。
最近、毎年耳にするようになったマダニに咬まれて死亡してしまうニュース。
私も先日、当直時に山で作業していた男性の方がマダニに噛まれてやってきました。
マダニ
マダニは計8本の足がついていて、クモに近い節足動物。
家の中の畳や布団、カーペットに住むダニとは別のものである。
大きさ2~3mm程度で目で見える。
吸血することにより、1cmを超えるぐらいにまでパンパンに大きくなるのです。
かさぶたと間違えてしまうこともあります。
マダニは山の中の茂みや草むら、公園などに住んでいます。
ジャンプしたりできないので、待ちかまえ触れたときに乗り移ります。
吸血を始めると1週間以上も離れません。
怖いのは西日本で多く報告されているマダニに咬まれたことによる死亡です。
マダニって毒を持っているの?
ウイルスを保有しており、咬まれることで感染をおこしてしまうのです。
そのなかで大きな問題となるのがSFTSウイルス感染による重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の発症。
ちなみに感染者が西日本ばかりになってますが、ウイルスを持っているマダニは、栃木や群馬、北海道でも確認されているので注意しましょう。
そのほかにマダニを媒介としたライム病、日本紅斑熱などの感染の危険もあります。
重症熱性血小板減少症候群
2011年に中国の研究者らによって新しいウイルスによるダニ媒介性感染症が発表。日本では2013年に初めて報告された。
ウイルスに感染し1~2週間の潜伏期間が過ぎ、発熱・腹痛・嘔吐・下痢などの症状がでてくる。
致死率は6〜30%前後。
高齢者のほうが致死率が高い。
感染はマダニに咬まれてのものが基本だが、感染者の血液により人から人への感染も報告されている。
有効な薬剤やワクチンはない。
マダニに咬まれたら
絶対、してはいけないことは無理に手で引っ張ってとらないこと。
なぜなら無理に引っ張るとマダニの頭や口先が皮膚に残って、感染の原因になってしまうのです。
咬まれたら剥がさずそのまま皮膚科へ受診しましょう。
時間が経つほど感染症のリスクが高くなるのでできるだけ早めに。
どうしても病院に行けないときは
マダニのできるだけ皮膚に近い場所をつかんで潰さないよう上へ引き抜きましょう。
またはマダニのいやがる刺激物をつかいます。
エタノールを脱脂綿につけてマダニに被せる。
殺虫剤などを綿棒にふきかけて塗る。
刺している部分にワセリンを塗る。
などです。
しかし、必ず病院は受診しましょう。
予防方法
キャンプや登山などで草むらなどには入らないようにするのが一番。
肌の露出は避け長袖・長ズボン、軍手などをしましょう。
防虫スプレーはマダニに効果があります。二時間程度の効果なので定期的に吹きかけましょう。
咬まれてても気づかないので、草むらなど行った後は全身をチェックしておきましょう。
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