国連合同エイズ計画の報告で2016年のエイズの世界での死亡者数が100万人だったとのこと。
2005年のピーク時190万人のほぼ半数であった。
感染者3670万人のうち半数以上の1950万人が、治療を受けることができていたことが死亡者数の減少に影響が大きいとのこと。
新規感染者は1997年の350万人から2016年は180万人であった。
これまで7610万人がHIVに感染し、約350万人が亡くなっている。
感染の多い地域はサハラ以南のアフリカ。
新たな感染の2/3がサハラ以南のアフリカ人だった。
自分が感染していると知っている感染者は54%ぐらいと推測されている。
日本では横ばいだったエイズの感染者。
世界的にみると、抗レトロウイルス薬の効果で減少しているんですね。
抗レトロウイルス療法
エイズの治療薬は今のところない。
抗レトロウイルス療法とは複数の抗ウイルス薬を組み合わせた治療法。
治癒はできないが抗レトロウイルス薬でウイルスを抑制し、パートナーへの感染のリスクを96%下げれるという。
ウイルスの複製を抑制し、免疫機能を高めることで先進国でのエイズが直接の原因となる死亡者が減少した。
発症も、感染も予防ができるということなんですね。
しかし問題は、副作用が早期からみられる。
そして、薬を途中でやめたり、決まった時間に内服しないことで耐性のウイルスが出現してしまう。
WHOが20日にエイズの新規感染と死者の増加、治療費用の増加を防ぐために世界の国々はエイズ治療薬の薬剤耐性の拡大に歯止めをかける必要があると警鐘を鳴らした。
調査を行なった11カ国のうち6カ国で、抗レトロウイルス治療を開始した患者の10%にエイズ治療薬の1部が効かないHIV株への感染を確認したという。
ウイルスが薬剤耐性を持つようになる可能性があるのは、患者が処方された薬剤の用量を正しく内服してない場合。
しかし、他人から感染する可能性もある。
細菌にも、抗生剤が効かない耐性菌が問題になっていますが、エイズにも同じことがおこるのですね。
きちんと内服できていたら問題ないとのことで、患者ひとりひとり気を付けていかないといけませんね。
まとめ
抗レトロウイルス療法の効果でエイズの死亡者数、新規感染者数が減っている。
きちんと内服しないことで抗ウイルス薬に耐性のもったウイルスが出現している。
耐性のもったHIVは人から人へも感染してしまう。
治癒できない病気のため、正しい知識と治療を続けてほしいと願います。
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