お魚は好きですか?
カニやエビは好きですか?
昔、海でとれた魚介類を食べて病気になり苦しんだ人がたくさんいました。
そして、それは今も続いています。
水俣病
4大公害病の一つ。
1956年に初めて患者が報告された熊本県水俣湾周囲で発生。
手足のしびれ、言語障害や視野障害、聴力障害、運動障害など症状がでる神経系の疾患。
新潟県阿賀野川流域でも水銀による公害が発生しています。
原因はメチル水銀中毒によるもので、1968年に公害と認定されました。
化学工場から海に水銀が排出され、魚・エビ・カニ・貝などに入りました。
それを人が経口摂取し発症したのです。
その中には母体から感染した子供もいました。
5歳と2歳の姉妹が公式としての最初の患者ということですが、本当はその前から患者はいたそうです。
この年に54人の患者が確認されましたが、そのうちの17人が亡くなっていた…
水銀は胃腸からほぼ完全に吸収され、血中から全身の臓器へはこばれ中枢神経へ蓄積し障害を起こすのです。
そして患者は病気が感染るなど言われ、差別を受け心身ともに大きな苦痛を受けました。
水俣病資料館
1993年に開館され水俣病についての歴史を解説する施設になっています。
熊本県にある水俣病資料館が9月22日に入場者が100万人を突破したということで記念式典が行われました。
そしてこの水俣病資料館の語り部の会の会長が、市長に祈りのこけしを託しました。
このこけしはスイスで行われる第1回締結会議に出席したときに条約事務局に贈られるものになります。
祈りのこけし
環境の再生を願って2006年からこけし作りが始まったそうです。
このこけしは水俣湾の埋め立て地の植樹した木から作られています。
水俣条約
8月16日に水銀に関する水俣条約が発効されました。
この条約は水銀による環境汚染や健康の被害を防ぐための国際条約で2013年に熊本市で署名されました。
今年の5月に国が50か国が超えたので、90日後の8月16日に発効されたのです。
スイス・ジュネーブで第1回締結国会議が9月24~29日に行われ、胎児性水俣病患者の方がスピーチを行いました。
水俣病は終わってない、公害を起こさないでください
世界に向けてメッセージを送りました。
60年経った今でも、被害者は苦しんでいます。そして、同じ思いをする人を出したくないのです。
医療現場で水銀が使用されたもの
水銀は常温では液体になる金属です。
電池であったり、蛍光灯などに使用されていますが、体温計や血圧計にも使われています。
体温計は水銀のモノは殆ど見なくなりました。
血圧計は水銀式と圧力式と電子式がありますが、いまも使用されている病院は多いのではないでしょうか?
看護学生の時に聴診器を使って測定する方法を学びます。
電子血圧計で数値がおかしい時などは、測定しなおすときに使用されるのではないでしょうか。
しかし、水俣条約は2020年以降の水銀を使った商品の製造や輸出・輸入を禁止することになっています。
医療現場で、水銀式の血圧計が消えていくことになるのでしょうね。
水銀製造による同じ健康被害を、日本だけではなく世界で出さないために…
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