4月11日水曜日(曇り)

4月11日水曜日(曇り)

 

 

…今日も一人ぼっちか。

 

 

《プシュープシュー》

 

あぁ、そうだった。
ごめんな。

 

 

私は一人じゃない。
お前は、誰よりも近くで誰よりも長い時間一緒にいてくれてるんだよな。

 

 

 

でもな…
やっぱり淋しいんだよ…

 

 

 

陽子も…
綾も…
病室に来なくなったんだ。

 

 

やっぱり、情けない私にガッカリしたんだろうな。

私のいない場所で
私のいない時間が増えた。

それが当たり前の光景になってしまっただけな事。

 

 

小林裕のいない家庭。

小林裕のいない職場。

小林裕のいない世界…

当たり前だよ。

私がいなくてもさ、何も変わらない時間が流れてる。

恨み言なんて言えるはずないさ。




それにさ、もしかしたら陽子に恋人ができたのかもしれないし…




私よりカッコイイ


私より優しい


私より収入のいい


歩けて
喋れて
抱きしめる事ができて
失禁なんてしない人…


























…馬鹿野郎





…大馬鹿野郎!!



最低だ。

どこまで卑屈になってるんだ。


何を勝手に想像してるんだよ。



私なんて死んでしまえ…














…だけどさ






だけど、本当にそうだったとしても…
私に何か言う資格はないんだ。





ずっとずっとずっと、辛い思いばかりさせてきたからな…



私には何も言えないよ…



 

 

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