4月10日火曜日(雨)
ふぅ。
暖かくなったなぁ。
身体が汗臭い。
お風呂入れないから仕方ないか…
もともと私は暑がりだから春先でも、あまり好きじゃない。
だから冷房使うのに陽子といつも喧嘩してたなぁ。
私は寒いよ…とか
電気代が高いのよ…とかさ
地球温暖化?
はぁ…勘弁してくれ。
だけど私が子供の時みたいに、雪がいっぱい積もるなんて事さえ珍しくなったもんな…
川も流れる水が少なくなって、蛍も見なくなった…
でも、みんなで好き勝手した結果だから仕方ないのかな。
今頃、環境保護を騒いでも遅いよな。
今更、後悔しても遅いよ。
そうなんだ。
今更、後悔しても遅すぎるんだ…
我慢なんてせずにさ、早く病院に来てたら…
もしかしたら、私は助かってたんだろうか…
悔しい…
…昨日、介護士さんが話ししていた事。
明日は子供の入学式。
クリーニングに出したスーツ取りに行かないと…って
楽しそうに話していた。
…知ってる?私の子供も入学式なんだよ。
綾の小学校の入学式。
今日のために新しいスーツと靴を買ったんだ。
新しいカメラも買った。
編集用の機械も揃えた。
結構、無理したけど一生の記念だからさ。
親として今日をどれほど心待ちにしていたか…
少し寂しくなった桜の木と[入学おめでとう]と書かれた看板をバックに校門で親子三人、記念撮影予定。
よく見かける、ありふれた光景かもしれない。
その当たり前な事さえ私は手に入れれない。
冷たい現実。
写真にもビデオにも私の姿は残らないんだ…
陽子と綾だけの記録。
残された記録に私はどこにもいない。
記憶にも
記録にも
私は残らない…
でもね、綾。
パパはお前を愛してるんだよ。
こんなにも傍に飛んで行きたいのにね。
何もできないんだ…
ごめんな…