4月5日木曜日(雨)
《プシュー…》
…ん
《プシュープシュー》
瞼が重たい
手が重たい
足が重たい
頭が重たい
身体が沈み込んでいく
動かない
《プシュープシュープシュー》
《カタン。パチ…》
《ピーピーピー…》
音が近い
なのになぜか遠い
だけど…
だけど、身体が苦しいのは楽になった。
…ただ、心だけは苦しいままだ。
歩いてた事が
しゃべれてた事が
食べてた事が
笑ってた事が
全てが、まるで遠い遠い昔のようだ。
当たり前だと信じてたた事が、実は当たり前にあるものではなかった…
何でもできてたのが、まるで夢のようだ。
何もできず、助けてもらわないと一人では生きていけない身体。
支えてもらわないと、きっと今にでも死んでしまうような身体。
私はこのまま、ただ死んでいくだけなのかな…
ただ待ってるだけ…
《プシュープシュー》
こんな状態になっても
感じた事
気付いた事
…あれだけに暴れても
…どんなに苦しくても
私の手は、喉の管には
この呼吸器だけは外せなかった
触れれなかった
意識が遠くなる瞬間、強く願ったこと
死にたくない
まだ生きたい
死にたくないって心の中で叫んでた
死ぬのは怖い
生きたいって願っていた
元気になれるって
今でも、心のどこかで信じてたんだ
どんなに苦しくても
それが悪足掻きでも
生きていれば僅かでも可能性があるから…
カッコ悪くても
みっともなくても
生きたい…