4月2日月曜日(曇り)
ん
…少しだけ目が開く。
うっすらと霞んでみえる風景。
暗闇に包まれて、機械に囲まれ独りぼっちだった。
胸には二つアザがついていた。
なんのアザなんだろう…
《プシュープシュー》
《ピピピピ…》
私の元気のないのに反比例して、機械達は元気一杯に働いてた。
…
手が少し動く。
指先に触れたもの。
お腹の管だった。
栄養を流すため
元気になるため
おなかに穴を開けた。
だけど今この管はただの飾りになってる。
なんのために私は辛い思いをしたんだろ…
目が霞み、頭がクラクラする。
身体もほとんど動かせない状態。
だけど感じる。
人の気配がない。
私は
私は独り…
誰も傍にはいない…
胸が痛い
間接が痛い
痛いという表現が合ってるのか自信はない
ただ苦しい…
淋しい…
その感覚が私の意識をつなぎ止める。
…
《プシュープシュー》
辛い事は、一度意識してしまうと我慢できなくなる。
その事ばかりが気になってしまう。
きっとそれは肉体的な事だけでなく精神的な事だとしても同じで…
身体も心も苦しいんだ。
足元の違和感に僅かに首を上げ確認してみる。
霞む視界に入ってきたのは真っ白な足…
ぎょっとした。
やっぱり私は死んだんだ…
もしかしたら…とは思ったけど
死んだ後も身体はこんなにも痛いし、苦しいんだな。
不思議と、死というものを客観的に受け止めていた。
しかし、すぐに想像が打ち消された。
もう一度、足元を覗いてみると…
白い足はストッキングだった。
私の両足に足先から膝下までのピッチリしたストッキング。
ピンとこずに、しばらく思考カ回路が停止してしまった。
何で!?
あまりにみっともない…
オムツしてストッキングって…何の罰ゲームなんだ。
もう、許してください…