6年前に愛知県の病院で救急搬送され脳出血で治療を受けていた7歳の女の子が脳梗塞を発症して死亡後した。医師が注意義務を怠ったとして両親が裁判を起こしていたが8月2日地方裁判所は病院の過失を認め6600万の賠償を命じる判決を出した。
裁判長は脳にかかる圧力を適切に管理しなければ、症状の悪化を招く状況と想定できたのに注意義務を怠り適切な処置をしなかった。と病院の過失を認めた。
少女が頭痛、吐き気などを訴えて救急搬送され、先天性のもやもや病と診断された。その後痙攣を起こし、翌日に手術を行ったが約1週間後に死亡したという事例。
脳出血に伴い水頭症を発症していたが、難病であり脳梗塞を発症しやすいことも考慮すると本当に治療に問題があったのか難しい内容だと思います。
明らかな医療ミスがあったのならともかく脳圧の管理を適切に行う注意義務を怠った…というのは救急を受け入れる病院はリスクを強く感じてしまいます。
しかし、大切な子供を亡くした遺族の気持ちも当然わかります。
もしかして、助けれた命じゃないのかと苦しんでることだと思います。
もやもや病
もやもや病とは厚生労働省より難病に指定されています。
以前はウィリス動脈輪閉塞症と呼ばれていました。
脳に栄養を送る太い血管が詰まってしまい、不足した血液を送るために細い血管が発達しもやもやした煙ように見えることが特徴です。
日本で最初に発見された病気
欧米人には少なくアジア系人種に多い病気。欧米人に比べて10倍ぐらいの発症。
女性に多く5歳~10歳、30歳~50歳で多くみられる。
日本では平成25年で1万6000人ほどの患者の報告があります。人口10万人に対し年間0.5人程度の発症とのこと。
はっきりした原因は不明、家族内発症が10%と言われている。
症状
脳の血管がつまり細い血管で補うため、血流不足が起こり一時的な虚血症状が起こる。
子供
脳梗塞に似た脳虚血症状を起こすことが多い。数分から数十分で改善。
走る、泣く、笛を吹く、熱い食べ物をフーフーするなどの過換気になる行為で症状が出現。
繰り返す頭痛、失神発作、脱力発作、けいれん発作、片麻痺が現れる。
大人
半数で脳出血が発症。
異常発達した血管網はとても脆弱で出血を起こしやすい。
脳出血では突然の頭痛、意識障害、麻痺が現れる。
残り半数は子供と同じく一過性の脳虚血症状。
検査
CTで出血の確認。
MRIでもやもやした血管の確認。
脳血管造影を行うこともあります。
脳血管撮影をすると太い血管が映らず毛のように細い多数の血管が映ります。
治療
頭痛や痙攣がみられる場合、出血の急性期では薬による治療。血圧や脳圧を調整します。
脳虚血発作にたいしては外科的治療を行うのが一般的。
直接的血行再建術と間接的血行再建術、複合血行再建術があります。
手術による予後は良好で1年ほどで軽快。
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